第27回地球科学講演会「大阪の温泉は本当に温泉か? ―大阪平野の地下水を可視化するー」

chidankenosaka2010-05-10

第27回地球科学講演会「大阪の温泉は本当に温泉か? ―大阪平野の地下水を可視化するー」が5月9日(日)に大阪市立自然史博物館 講堂において行われました。
 近年、大阪の街中にも「天然温泉」の看板が目立つようになりました。火山もなく、温泉とは無縁と思われる大阪でなぜ温泉があるのだろうか。そのような身近な話題をテーマに、大阪市立大学の益田晴恵氏を講師に迎え、地下水や温泉をテーマにご講演いただきました。会場には温泉好きの人たち(?)160名以上が集まり、みな熱心に益田氏の講演を聞かれていました。
 講演は地球上の水循環、水質形成についてなどの基本的な水環境についてのレクチャーの後、今回の講演会の本論である大阪平野の地下水についての話となりました。大阪の地下水利用の現状、帯水層の分布、地下水の流動など、近年明らかとなった様々な大阪平野の地下水の研究結果が示されました。その中で大阪平野の温泉は、高い地温勾配の結果、温泉と認定されるものが多いとの説明があった。また、最近の過剰な温泉の仕様により、水質変化など様々な問題が起こる可能性が指摘された。
 講演後の質疑も活発で、地下水の有効利用や地震の際の液状化の問題など、生活に関わる質問が多く出された。地下水という身近なテーマと講師の益田氏のわかりやすい講演内容が、参加者に地下水や環境問題への大きな関心につながったのではないかと感じられました。