会員向け見学会のご案内:遺跡発掘現場の地層観察会

 現在、大阪市浪速区恵比須西3丁目において発掘調査が実施されています。この遺跡では、難波砂堆形成にかかわる古墳時代前期ごろとみられる干潟から、それ以降の後浜までの堆積層(厚さ約2m)を観察することができます。また、中世末〜近世初めの砂取り跡とみられる遺構や、断面のみですが、近世後半以降のゴミ穴や畠も観察できます。
 そこで、下記の日程で発掘現場の地層観察会を会員向けに行いたいと思います。現在も調査中のため、最初に簡単な説明を行った後は、自由に見ていただく予定です。
 急なご案内ですが、是非お越しいただき、ご意見や所見、ご感想をお聞かせいただければと思います。

 日時:9月1日(水) 午前
 
 なお、この見学会は地学団体研究会大阪支部会員向けの見学会です。非会員の方でへの参加を希望される方は、8月30日(月)までに、参加者全員の氏名、年齢、住所、電話番号、返信メールアドレスを明記の上、以下のメールアドレスに申し込んでください。31日中に詳細をご連絡します。

 申込先アドレス:chidankenosaka@yahoo.co.jp

「大峰山に3億年の歴史を探る」報告

chidankenosaka2010-06-20

 4月18日(日)に、春の自然史ハイキングの下見を兼ねて会員向け巡検:「大峰山に3億年の歴史を探る」が好天気のもとで開催されました。参加者は9名で、大和大峰研究グループの方が運転する車に分乗して、6地点で興味深い地質観察となりました。
 また、5月23日(日)、あいにくの雨模様でしたが、春の自然史ハイキングとして「大峰山に3億年の歴史を探る」を実施しました。基本的にバスで移動して観察地点のすぐ手前でバスから下車しての観察だったので、決行しました。申込みは63名で抽選の上で参加者25名を決定し、当日は17名の参加となりました。

 第27回地球科学講演会「大阪の温泉は本当に温泉か? ―大阪平野の地下水を可視化するー」

chidankenosaka2010-05-10

第27回地球科学講演会「大阪の温泉は本当に温泉か? ―大阪平野の地下水を可視化するー」が5月9日(日)に大阪市立自然史博物館 講堂において行われました。
 近年、大阪の街中にも「天然温泉」の看板が目立つようになりました。火山もなく、温泉とは無縁と思われる大阪でなぜ温泉があるのだろうか。そのような身近な話題をテーマに、大阪市立大学の益田晴恵氏を講師に迎え、地下水や温泉をテーマにご講演いただきました。会場には温泉好きの人たち(?)160名以上が集まり、みな熱心に益田氏の講演を聞かれていました。
 講演は地球上の水循環、水質形成についてなどの基本的な水環境についてのレクチャーの後、今回の講演会の本論である大阪平野の地下水についての話となりました。大阪の地下水利用の現状、帯水層の分布、地下水の流動など、近年明らかとなった様々な大阪平野の地下水の研究結果が示されました。その中で大阪平野の温泉は、高い地温勾配の結果、温泉と認定されるものが多いとの説明があった。また、最近の過剰な温泉の仕様により、水質変化など様々な問題が起こる可能性が指摘された。
 講演後の質疑も活発で、地下水の有効利用や地震の際の液状化の問題など、生活に関わる質問が多く出された。地下水という身近なテーマと講師の益田氏のわかりやすい講演内容が、参加者に地下水や環境問題への大きな関心につながったのではないかと感じられました。

「河内平野横断の旅」のご案内

 地学団体研究会近畿3支部合同行事、新入生歓迎巡検として、「河内平野横断の旅」を開催します。
 生駒山麓や上町台地の段丘地形,旧大和川の流路跡などは,地質に携わっている人はだれもが知っていることですが,通して歩いたことがある人は意外と少ないのではないでしょうか。今回久しぶりの近畿3支部行事として,河内平野横断の巡検を企画しました。地形の勉強にはたいへん分かりやすいコースですので,新入生の皆さん大歓迎です。会員のみなさまは奮ってご参加ください。

 日時:6月13日(日)

 集合:近鉄奈良線「石切」駅 9時30分

 解散:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘」または「天王寺」17時30分ごろ

 天候判断:小雨決行(荒天の場合は中止)

 費用:参加費は無料,電車代実費が必要

 持ち物:弁当,飲み物,雨具,(ノート,筆記用具,カメラ,双眼鏡など必要に応じて)

 地形図:2万5千分の1「大阪東北部」「大阪東南部」「信貴山」「生駒山」(案内者では用意しません)

 案内者:京都支部 鈴木一久(近畿大学

 コースと見どころ:
石切…低位段丘と中位段丘(段丘面と段丘崖,大阪市内展望)…低位段丘面を下って石切神社東高野街道をへて近鉄「新石切」駅へ(生駒山系の地形展望)…近鉄に乗車し「吉田」駅下車…今米公園の中甚兵衛顕彰碑(ここで昼食)…旧大和川の分流のひとつ,旧吉田川に沿って南へ歩く(天井川地形の観察)…近鉄「河内花園」駅から近鉄乗車,「鶴橋」駅下車…上町台地を横断して地形を観察(細工谷〜夕陽ケ丘ストリート〜西側の急崖・天王寺七坂めぐり)… 最寄り駅解散

第27回地球科学講演会「大阪の温泉は本当に温泉か?−大阪平野の地下水を可視化する−」

chidankenosaka2010-04-07


 毎年恒例の地球科学講演会。今年は大阪市立大学の益田晴恵教授をお招きして、大阪の地下水に関する話題提供をしていただきます。

 「天然温泉」の看板を街の中で見かけることがあります。温泉好きの私たちにとっては、安くて近い息抜きの場です。火山のない大阪になぜ温泉が出るのか、不思議に思ったことはありませんか。平野部にある温泉は、とても深い場所にある地下水なのです。中には変わった泉質を持つものもあります。でも、地下水という点では、上町台地の湧水と同じです。ここでは、目には見えない大阪平野の地下水の流れを話します。地下水とは何か、河川水とどう違うのか、そしてどうつきあえばいいのか、一緒に考えたいと思います。なおこの講演会は「地質の日」協賛事業として開催します。

 講師:益田晴恵氏(大阪市立大学大学院理学研究科教授)

 日時:5月9日(日)午後2時30分〜4時30分

 会場:自然史博物館 講堂

 主催:地学団体研究会大阪支部、日本地質学会近畿支部大阪市立自然史博物館

 お問合せ:自然史博物館・第四紀研究室の中条、またはchidankenosaka@yahoo.co.jpまで。

 お申込:申込みは不要です。直接会場へお越しください。

 参加費:無料(ただし、博物館入館料が必要)

 自然史博物館のホームページからも詳細を見ることができます。

会員向け巡検:「大峰山に3億年の歴史を探る」のご案内

 大和大峯研究グループのみなさんが長年かかって調べ上げた、大峰山大台ヶ原周辺の秩父帯・四万十帯の地質を中心とした巡検を計画しました。昨年出版された「大峰山大台ヶ原山 自然のおいたちと人々のいとなみ」(築地書館)で紹介されている五番関スーパープルーム起源のメタドレライトや、室生火砕流堆積物の給源と考えられる大台カルデラの火砕岩岩脈など、ふだん見ることのできない山深い大峰地域の地質現象を、大和大峯研究グループのみなさんの案内で観察します。
 なお車を手配する関係で、申込が必要となります。ご注意下さい。

 日 時:4月18日(日)、午前9時ころから夕方まで  ※雨天決行
 集合場所や時間は返信で案内します。

 巡検コース(予定):
1.五番関の秩父帯大普賢岳コンプレックス(チャート)とスーパープルームのメタドレライト 
2.五番関と大迫ダム南の間で秩父帯山葵谷コンプレックス(緑色岩・石灰岩
3.大迫ダム南での大迫コンプレックス(泥岩・石灰岩・チャート)と四万十帯伯母谷川コンプレックス(砂岩・泥岩)の接触関係
4.神の谷の火砕岩岩脈 
5.東川の四万十帯赤滝コンプレックス(枕状溶岩)

 解 散:午後6時ころに大阪市内、もしくは午後4時ころに近鉄「下市口」駅予定

 案内者:大和大峯研究グループのみなさま(責任者:八尾昭)

 持ちもの:歩きやすい靴・服装(ガレ場あり)、弁当・飲料水、帽子・手袋、地質調査用具。資料・地形図は用意します。

 備考:自家用車を利用して移動します。当日の参加者でガソリン代などを負担いただきます(1500円程度)。

 ※参加希望の方は、ハガキもしくはメールで、4月10日(土)までに博物館班の川端まで申し込んでください。車を出していただける方は乗車定員を書き添えてください。
 申込先:chidankenosaka@yahoo.co.jp
 もしくはハガキの場合は
 〒546-0034 大阪市東住吉区長居公園1番23号(長居公園内)
       大阪市立自然史博物館内 地団研大阪支部まで

 注意:自然史ハイキング(2010春)は5月23日(日)に同コースで大阪市立自然史博物館との共催でおこないます。詳細はこちらへ(自然史博物館ホームページ博物館と友の会の行事)。申し込み先などが異なりますので、ご注意下さい。

室生団体研究グループの団研調査のご案内

 室生火砕流堆積物基底相の岩相と層序を解明する.とくに,溶結凝灰岩にみられる間隙圧破砕と流動化現象を観察する.

 日程:2010年3月13・14日(土・日)
 調査地域:奈良県曽爾村山粕〜西杉峠
 費用:宿泊代約6000円とガソリン代.日帰り調査も可.
 キャッチフレーズ:火道壁の岩片を含む火砕岩の岩相,石質凝灰岩がガラス質凝灰岩を間隙圧破砕し,流動変形した岩相などを観察し,現地討論します.
 連絡先:参加希望の方は、茅原(かやはら)芳正(メールアドレス:yumemitaro★leto.eonet.ne.jp(★マークを@にする))までご連絡下さい。